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Webサーバをファイルサーバにように使える WebDAV の導入手順です。
ファイル共有の手段
チームメンバーにファイルを送る時に、どのような手段を使っていますか?
USBメモリやメールもありますし、当サイトでよく紹介しているSubversionも使えます。そして、今回紹介するWebDAV。それぞれに一長一短があります。
USBメモリ・CD-R・DVD-Rなど
長所は、容量を気にしなくてもいいこと。また、ネットに接続していなくても使えることですね。
最大の短所は、直接手渡しなり郵送なり、物理的に渡す必要があることでしょう。
メール
なんといっても手軽なのが最大の長所です。地理的に離れていても、PCに向かっている時刻が違っていても、問題なくファイルを送れます。
短所は容量の制限です。ファイル分割したり、宅ふぁいる便 などのファイル送信サービスを併用すれば、多少は緩和されるものの、数GB単位のデータを送るのは骨が折れます。
また、大量のメールに埋もれてしまって、「もう一回あのファイル送って」なんてことも・・・。
Subversion
Subversion や Git などの バージョン管理システムでも、副作用的にファイル共有ができます。
長所は、ファイルを体系的に管理できることと、履歴が残ること。そもそも、そのためのシステムですから。
しかし、逆にそれが短所にもなります。メンバーは新しいファイルをどこに登録していいのかが分かりにくいし、登録すると半永久的に履歴が残ってしまうため、一時的なファイル(メモ書きなど)を登録しにくいことです。
共有フォルダ
Windowsの共有フォルダや、LinuxのSambaを使って、フォルダをLAN内に公開する方法です。
比較的簡単に設定・利用できる反面、簡単に使えるが故に無法地帯になりがち(ファイルが乱雑に置かれ、不要なファイルが放置される)です。
またLANにつながっている必要があるため、自宅や外出中のメンバーからは使えません。
WebDAV
ファイル管理を行うためにHTTPを拡張したものです。LANを越えて使える共有フォルダのようなイメージです。
自前のサーバであれば、ディスク容量の許すだけ使えますし、外出中のメンバーも(インターネットに接続できれば)使用できます。
一度接続してしまえば共有フォルダとほぼ同じなので、共有フォルダと同様に無法地帯になりがちです。
設定方法
サーバ側
Vine Linux 5.0 の設定例です。他のディストリビューションでもだいたい同じでしょう。
WebDAV用ディレクトリとロック用ディレクトリを作成する。
# mkdir /var/www/html/dav
# chown apache:apache /var/www/html/dav
# mkdir /var/lock/dav
# chown apache:apache /var/lock/dav
設定ファイル /etc/apache2/conf/httpd.conf の編集(ファイルの最後にでも追加すればOK)
DavLockDB /var/lock/dav/DavLock
<Location /dav>
Dav on
SSLRequireSSL
AuthType Basic
AuthName "WebDAV Server"
AuthUserFile "/etc/apache2/.htpasswd"
Require valid-user
</Location>
この設定例は、「SSL接続必須」で、「ユーザ認証必須」としました。
弊社の環境では、既に Subversion 用のパスワードファイル( /etc/apache2/.htpasswd )を使っていたので、これをそのまま使いました。パスワードファイルがない場合は、htpasswd コマンドで作成してください。
クライアント側
Windows XP の例です。
- ネットワークコンピュータを右クリック
- ネットワークドライブの割り当て
- 「オンライン記憶域にサインアップするか、・・・」をクリック
- ネットワークプレースの追加ウィザードの開始 が出るので、次へ
- 「別のネットワークの場所を選択」で次へ
- インターネットまたはネットワークのアドレスに、https://サーバURL/dav を入れて次へ
- セキュリティ警告は無視(自作のSSL証明書なので出ています)して、はい
- ユーザ名とパスワードを入れる
- ネットワークプレースの名前は、好きな名前でよし。次へ→完了
このフォルダのファイルをダブルクリックしても、アプリケーションで開けないようです。
いったんファイルをローカルにコピーすると開けます。